生茶が売れた3つの理由をスーパー店員が分析してみた
どうも生茶を愛し、生茶に愛された男でにろんです。
前回の記事で、見事1位に輝いたキリンビバレッジの生茶ですが、どうしてここまで売れたのかを店員目線で分析してみました。
捻り出した答えがこの3つ
①異常なまでの広告、販促
②美しいデザイン
③味の改変
①異常なまでの広告、販促
- CM量10000GRP(GRP=CM量の指標)
CM量が異常です、新製品のcmを入れるときは良くて3000GRPくらいのもの、しかし、生茶はその3倍を超えるCM量を投入しています。
- シンプルなCM
生茶のCMを見たことがある人は多いはず、吉川晃司が生茶を飲んで、「フッうまい」の一言、他の企業が15秒で多くの事を伝えようとしている中、これには圧巻!
他にも、
・「お茶が元気らしいね?」
・「ん?どうかなぁ」
・「お茶が面白くなってきました」
・「いいねぇ」
こんなシンプルなCMでも、吉川晃司の風格と渋い声で、多くを語らなくても良さが伝わってしまいますね。
- 販促が異常
キリンの売り込み方が尋常じゃないんです。
詳しい原価は言えませんが、他の商品より10〜15円くらい安いです、飲料は本当に利益が薄い商品、売価次第では他の飲料2本=生茶1本の利益が同じなんて事もありましたね。
キリンの発売当初、生茶をお店で展開してくださいと営業が来た時に、恥ずかしながら下火の下火であった生茶は売れるはずがないと決めつけ、いりませんと断りました。
翌日、キリンの本社担当がわざわざ店舗までお越しくださり、「今回の生茶は命かけてます、私からもお願いします」と頭を下げに来た時は、商売人として胸を熱くしましたね。
発売年の2016年は広告費と販促費で、生茶単体の利益は赤字ではないかと言う意見も聞いています。
②美しいデザイン
ワイン瓶のようなデザイン、売り場でかなり目立ち、このデザインもヒットした理由に大きく関わっています。
あなたもこのデザインに惹かれて買った経験があるのではないでしょうか?今では、街中で若い世代の女子が飲んでいるのをよく目にします。
実はこのワイン型ボトル技術の集大成なんです、ボトルを丸くすればするほど強度が弱くなり商品として出荷ができなくなります、触ってもらうとわかるんですが、微かに凹凸がありますよね、この微かな凹凸のおかげで強度を保っているギリギリのラインだそうです。
丸くすれば強度が弱くなり、凹凸があるとデザインが悪くなる、キリンの愛がギュッと詰まっていますね。
- 大型ペットは売れない
私の店舗で実験済みですが、どこの担当者も口を揃えて、大型は厳しいねと言います、大型ペットのデザインはいたって普通。
生茶ブームに乗っかって、発売日1ヶ月後くらいから大型生茶をチラシに載せたり、お店で大量陳列し始めました。
しかし、これが売れない、、、、中身は同じでコスパは良いのにここまで売れないのも珍しいと思いました、大型飲料を買う層である主婦には刺さらなかったのでしょう。
③味の改変
- お茶のいいとこまるごと出し切る
低音抽出する事により、時間はかかるがお茶の甘みを引き出すことが出来ます、お茶はお湯が熱ければ熱いほど、茶葉の苦味成分が溶け出してしまうんです。
生茶独特の濁り、実はあの濁りミクロンサイズまで縮められた茶葉を、低音で手間暇かけて抽出したお茶に使用します。
大型飲料はそんなに売れない事から、味はあまり良くないのかと思いましたが、そうでもありませんでした。
実は父親がお茶屋で30年以上勤めており、一番うまいペットボトルは何だとよく教えて貰うんですか、生茶だと答えていました。
それまでは、おーいお茶 濃い味が一番だと言っていたので、本物なのでしょう。
店員の一言
紹介したものの中でも、特に①、②が大きなヒット要因だと思います、おいしいのが当たり前の今、味だけでは売れていかないと感じています。
味+αの付加価値を付けていくことが重要、今回であれば、
味+広告、販促、デザインでしょう。
まとめ
①異常なまでの広告、販促
②美しいデザイン
③味の改変